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年間運航CIIの算定期間と、旗国・会社が変わるときの扱い(MARPOL附属書VI規則28)

CIIは暦年全体を対象に計算します。年の途中で船籍や会社が変わった場合は、データ収集期間と報告期間を別々に確認します。2021年改正MARPOL附属書VIの規則27と規則28は異なる義務を定めています。

計算ツールで確認できます

CII計算ツールに船舶情報を入力すると、推定格付けと計算過程を確認できます。

算定期間は1月1日から12月31日までです

shall calculate the attained annual operational CII over a 12-month period from 1 January to 31 December for the preceding calendar year, using the data collected in accordance with regulation 27 of this Annex, taking into account the guidelines to be developed by the Organization.

対象は総トン数5,000トン以上であって、附属書が掲げる船種に当たる船です。期間は暦年の十二か月で、 入力データは規則27に従って収集したものです。算定は2023年の暦年が終わった後から毎年続きます。

報告期限は暦年終了後三か月です

2 Within three months after the end of each calendar year, the ship shall report to its Administration, or any organization duly authorized by it, the attained annual operational CII via electronic communication and using a standardized format to be developed by the Organization.

受け取る側は旗国の主管庁か、そこから正当に権限を与えられた団体です。方法は電子的通信と標準の 様式です。

船籍や会社が変わってもその年はまるごと数えます

3 Notwithstanding 1 and 2 of this regulation, in the event of any transfer of a ship addressed in regulations 27.4, 27.5 or 27.6 completed after 1 January 2023, a ship shall, after the end of the calendar year in which the transfer takes place, calculate and report the attained annual operational CII for the full 12-month period from 1 January to 31 December in the calendar year during which the transfer took place, in accordance with regulations 28.1 and 28.2, for verification in accordance with regulation 6.6 of this Annex, taking into account guidelines to be developed by the Organization.

ここが規則27と分かれる地点です。規則27は移転があれば期間を割らせます。主管庁が変われば、移転の 完了日またはそれに近い日に、前の主管庁の分の期間を集計して報告し、会社が変われば、その会社の分の 期間を集計して報告します。二つが同時に起これば主管庁の側の規則に従います。

規則28は逆です。移転が起きた暦年についてthe full 12-month periodを算定し報告します。割れた 断片で格付けを付けないという意味です。

規則 移転のあった年の見方
規則27(燃料油消費データ) 主管庁別・会社別に期間を割り、それぞれ集計して報告
規則28(運航CII) その年の1月1日から12月31日までをまるごと算定して報告

そして同じ項が一行を付け足します。この規則のいかなる内容も、規則27またはこの規則による報告義務を 免除しない、というものです。まるごと数える義務が、割って報告する義務の代わりにはなりません。

要求CIIは基準値に削減係数を掛けて出ます

規則28の第4項が、要求年間運航CIIを基準値に年間削減係数を適用する形で定義します。削減係数は特定の 格付けの中で継続的な改善が進むようにする値で、基準値とともに機関が策定する指針が定めます。条文に あるのは式の形だけで、数字は指針にあります。

格付けは要求CIIを真ん中に置いて五つに分かれます

6 The attained annual operational CII shall be documented and verified against the required annual operational CII to determine operational carbon intensity rating A, B, C, D or E, indicating a major superior, minor superior, moderate, minor inferior, or inferior performance level, either by the Administration or by any organization duly authorized by it, taking into account the guidelines developed by the Organization. The middle point of rating level C shall be the value equivalent to the required annual operational CII set out in paragraph 4 of this regulation.

読む箇所は二つです。第一に、格付けの手続がdocumented and verifiedです。自前の計算で終わらず、 主管庁か権限のある団体の検証を経ます。第二に、C格の中間点が要求CIIと同じ値です。要求CIIをちょうど 満たせばCの真ん中に置かれます。

三年連続でDを受けるかEを受ければ是正措置の計画を作ってSEEMPに入れることになり、AやBを受けた船に は主管庁や港湾当局などが誘因を与えるよう勧められます。

確認日と今後の改正を区別します

確認日は2026-09-28です。従来の記事にある2026年1月1日の見直し期限は、規則の終了日ではありません。MEPC.407(84)は見直し条項を変更し、受諾条件を前提に2027-09-01発効予定です。現在の指針と将来の条約改正を区別します。

確認しておくこと

上の引用は2021年改正MARPOL附属書VI(MEPC.328(76))の44ページから取りました。削減係数と 基準値、格付けの境界の算定は機関が策定する指針が定めるので、条文だけでは数字が出ません。その船が 規則28の対象船種か、今年のうちに船籍や会社の変更があったか、そしてその年の十二か月のデータが途切れ ずに残っているかが、実際の判断の出発点です。

架空のばら積み貨物船の年間CIIを計算します

Bellbookが作成した学習用の例です。2026年を通じて運航したばら積み貨物船について、50,000 DWT、年間総航行距離60,000 nm、化石由来の軽油消費量4,800 tと仮定します。他の燃料、バイオ燃料、補正係数、航海調整はありません。実船の検証結果ではありません。

MEPC.352(78)の基本式は、燃料別CO2排出量の合計を輸送能力と距離の積で割ります。MEPC.412(84)は実際の積載量ではなく船種別のDWTまたはGTを引き続き使用し、under wayとnot under wayの両方の距離を含めることを明確にしました。このばら積み貨物船ではDWTを用います。

軽油の換算係数3.206 t-CO2/t-fuelはMEPC.1/Circ.925の付録に記載されています。基準線にはMEPC.353(78)の該当するばら積み貨物船の区分、2026年の削減係数にはMEPC.400(83)を使います。

  • CO2 = 4,800 × 3.206 = 15,388.8 t = 15,388,800,000 g
  • W = 50,000 × 60,000 = 3,000,000,000 dwt·nm
  • CII = 15,388,800,000 / 3,000,000,000 = 5.1296 gCO2/(dwt·nm)
  • CIIref = 4745 × 50,000^(-0.622) ≈ 5.668614
  • CIIrequired(2026) = (1 − 11/100) × CIIref ≈ 5.045066

MEPC.354(78)の境界係数0.86、0.94、1.06、1.18を要求CIIに掛けると、境界値は約4.338757、4.742362、5.347770、5.953178です。例の5.1296は4.742362と5.347770の間にあるため、この例の格付けはCです。表示値のみを丸め、実際の判定では途中の数値を先に丸めません。

燃料と距離の元データから結果を再現します

CII計算例CSVは架空の記録を上半期と下半期に分けています。先に燃料3,000 + 1,800 = 4,800 t、距離40,000 + 20,000 = 60,000 nmを合計します。期間別CIIや格付けの単純平均で年間結果を求めません。

管理会社の変更時には、前の会社の期間別記録・報告書、換算係数、欠落・重複の確認、補正の根拠を受け取り、年間計算を再現できるようにします。CSVは公式提出様式ではありません。実際には船種・能力・燃料を確認し、MEPC.355(78)の補正や航海調整の適用を別途検討します。距離や分母が不明なら、仮の値で割らず元データを調べます。

計画する年ごとの削減係数を適用します

MEPC.400(83)は2019年基準線に対する削減係数を、2026年11%、2027年13.625%、2028年16.250%、2029年18.875%、2030年21.500%と定めています。前年の実績から順次差し引く比率ではありません。SEEMPの計画にも各年の係数を用います。

引用した原文を直接確認できます

以下は、この記事で扱う文書の公式発行元へのリンクです。本文に記載した版と条項を照合し、実際の適用前にその後の改正と旗国の実施要件を確認してください。

関連する業務の解説も確認できます

Bellbookは年間CIIに入る航海ごとの燃料と距離を日々受け取ります

Bellbookは正午報告と航海記録に燃料と距離を残します。会社は欠落・重複や管理移転前後の資料を照合し、適用する方法で年間CIIを計算して検証を受ける必要があります。

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