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環境・規制

年間運航CIIの算定期間と、旗国・会社が変わるときの扱い(MARPOL附属書VI規則28)

2026-07-26

CIIは一年をまるごと数える指標です。ところが年の途中で船籍が変わったり会社が変わったりすると、 その年を誰がどう数えるのかが問題になります。2021年改正MARPOL附属書VIは、この問いに規則27と 規則28で別々の答えを出します。この記事はその違いを見ます。

算定期間は1月1日から12月31日までです

shall calculate the attained annual operational CII over a 12-month period from 1 January to 31 December for the preceding calendar year, using the data collected in accordance with regulation 27 of this Annex, taking into account the guidelines to be developed by the Organization.

対象は総トン数5,000トン以上であって、附属書が掲げる船種に当たる船です。期間は暦年の十二か月で、 入力データは規則27に従って収集したものです。算定は2023年の暦年が終わった後から毎年続きます。

報告期限は暦年終了後三か月です

2 Within three months after the end of each calendar year, the ship shall report to its Administration, or any organization duly authorized by it, the attained annual operational CII via electronic communication and using a standardized format to be developed by the Organization.

受け取る側は旗国の主管庁か、そこから正当に権限を与えられた団体です。方法は電子的通信と標準の 様式です。

船籍や会社が変わってもその年はまるごと数えます

3 Notwithstanding 1 and 2 of this regulation, in the event of any transfer of a ship addressed in regulations 27.4, 27.5 or 27.6 completed after 1 January 2023, a ship shall, after the end of the calendar year in which the transfer takes place, calculate and report the attained annual operational CII for the full 12-month period from 1 January to 31 December in the calendar year during which the transfer took place, in accordance with regulations 28.1 and 28.2, for verification in accordance with regulation 6.6 of this Annex, taking into account guidelines to be developed by the Organization.

ここが規則27と分かれる地点です。規則27は移転があれば期間を割らせます。主管庁が変われば、移転の 完了日またはそれに近い日に、前の主管庁の分の期間を集計して報告し、会社が変われば、その会社の分の 期間を集計して報告します。二つが同時に起これば主管庁の側の規則に従います。

規則28は逆です。移転が起きた暦年についてthe full 12-month periodを算定し報告します。割れた 断片で格付けを付けないという意味です。

規則 移転のあった年の見方
規則27(燃料油消費データ) 主管庁別・会社別に期間を割り、それぞれ集計して報告
規則28(運航CII) その年の1月1日から12月31日までをまるごと算定して報告

そして同じ項が一行を付け足します。この規則のいかなる内容も、規則27またはこの規則による報告義務を 免除しない、というものです。まるごと数える義務が、割って報告する義務の代わりにはなりません。

要求CIIは基準値に削減係数を掛けて出ます

規則28の第4項が、要求年間運航CIIを基準値に年間削減係数を適用する形で定義します。削減係数は特定の 格付けの中で継続的な改善が進むようにする値で、基準値とともに機関が策定する指針が定めます。条文に あるのは式の形だけで、数字は指針にあります。

格付けは要求CIIを真ん中に置いて五つに分かれます

6 The attained annual operational CII shall be documented and verified against the required annual operational CII to determine operational carbon intensity rating A, B, C, D or E, indicating a major superior, minor superior, moderate, minor inferior, or inferior performance level, either by the Administration or by any organization duly authorized by it, taking into account the guidelines developed by the Organization. The middle point of rating level C shall be the value equivalent to the required annual operational CII set out in paragraph 4 of this regulation.

読む箇所は二つです。第一に、格付けの手続がdocumented and verifiedです。自前の計算で終わらず、 主管庁か権限のある団体の検証を経ます。第二に、C格の中間点が要求CIIと同じ値です。要求CIIをちょうど 満たせばCの真ん中に置かれます。

三年連続でDを受けるかEを受ければ是正措置の計画を作ってSEEMPに入れることになり、AやBを受けた船に は主管庁や港湾当局などが誘因を与えるよう勧められます。

この規則自体に見直しの時点が打ち込まれています

第11項が、機関が2026年1月1日までに見直しを終えると定めます。見直しの対象には、この規則が国際海運 の炭素集約度を減らすうえで実効があったかが入ります。規則の中に自己点検の時点が入っている構造です。

確認しておくこと

上の引用は2021年改正MARPOL附属書VI(MEPC.328(76))の44ページから取りました。削減係数と 基準値、格付けの境界の算定は機関が策定する指針が定めるので、条文だけでは数字が出ません。その船が 規則28の対象船種か、今年のうちに船籍や会社の変更があったか、そしてその年の十二か月のデータが途切れ ずに残っているかが、実際の判断の出発点です。

Bellbookは年間CIIに入る航海ごとの燃料と距離を日々受け取ります

格付けは1月1日から12月31日までをまるごと数えるので、途中に空く日ができると年末に取り戻せません。Bellbookは正午報告と航海記録から燃料と距離を毎日受け取り、その十二か月が途切れないようにします。

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