海上労働証書の中間検査時期と更新時点で分かれる満了日(MLC規則5.1.3)
2026-07-13

海上労働証書を手にしたとき答えるべき問いは二つです。中間検査をいつ受けるのか、そして更新検査 を終えたら新しい証書がいつまで有効なのか。MLC, 2006の基準A5.1.3が二つの問いに日付の規則で 答えますが、二つ目の答えは分かれ道です。いつ検査を終えたかによって満了日が変わります。
まずこの証書を備えるべき船かどうかを見ます
規則5.1.3が適用範囲を二行で定めます。国際航海に従事する総トン数500トン以上の船舶、そして 加盟国の旗を掲げて他国の港から、または港の間を運航する総トン数500トン以上の船舶です。ここで 国際航海とは、ある国からその国の外の港へ向かう航海を指します。
ここに入らない船も、船舶所有者が旗国に要請すれば適用を受けられます。義務で入る船と要請で 入った船が、同じ証書の規則を使います。
有効期間の上限は五年です
基準A5.1.3の第1項が、権限のある機関または正当に権限を与えられた認定団体が、五年を超えない 期間で証書を発給すると定めます。発給前に検査すべき事項の一覧は付録A5-Iにあります。
五年は上限であって固定値ではありません。後に出てくる第3項と第4項が実際の満了日を作り、その 結果が五年より短くなることがあります。
中間検査は二周年と三周年の応当日の間に開きます
If only one intermediate inspection is carried out and the period of validity of the certificate is five years, it shall take place between the second and third anniversary dates of the certificate.
条件が付いています。中間検査を一回だけ行い、証書の有効期間が五年であるときの規則です。そして 応当日の定義がすぐ後ろにあります。
Anniversary date means the day and month of each year which will correspond to the date of expiry of the maritime labour certificate.
応当日は発給日の月日ではなく満了日の月日です。満了日が2032年6月30日なら毎年6月30日が 応当日であり、二周年は2029年6月30日、三周年は2030年6月30日です。中間検査はその間に受けます。
深さも定まっています。
The scope and depth of the intermediate inspection shall be equal to an inspection for renewal of the certificate.
中間検査の範囲と深さは更新検査と同じです。省略した確認ではありません。満足に終えれば証書に 裏書を受けます。
更新検査をいつ終えたかで新しい満了日が分かれます
Notwithstanding paragraph 1 of this Standard, when the renewal inspection has been completed within three months before the expiry of the existing maritime labour certificate, the new maritime labour certificate shall be valid from the date of completion of the renewal inspection for a period not exceeding five years from the date of expiry of the existing certificate.
既存の証書の満了日が2027年6月30日だとすると、こう分かれます。
| 更新検査の完了時点 | 新証書の有効開始 | 新証書の満了 |
|---|---|---|
| 2027年5月10日(満了前三か月以内) | 検査の完了日 | 2032年6月30日 |
| 2027年1月20日(満了前三か月より前) | 検査の完了日 | 2032年1月20日 |
同じ船が同じ検査を受けたのに、満了日が五か月以上ずれます。満了前三か月以内に終えれば既存の 満了日が起算点として保たれ、それより早く終えれば起算点が検査の完了日まで前に動くからです。 日程を前倒しすることが常に安全な選択とは限らないという意味です。
新しい証書をすぐ発給して船内に置けない場合も条文にあります。更新検査を満了前に終え、要件の 充足が確認されたのであれば、既存の証書の満了日から五か月を超えない範囲で有効期間を延長し、 裏書することができます。このとき新証書の満了日は上の表の規則で決まります。
臨時証書は六か月で、つなぎ足せません
臨時の海上労働証書を出せる場合は三つです。新造船の引渡し時、旗国の変更時、そして船舶所有者が 自らにとって新しい船舶の運航責任を引き受けるときです。期間は六か月を超えられません。
No further interim certificate may be issued following the initial six months referred to in paragraph 6 of this Standard.
もう一度臨時でつなぐ道が閉じてあります。臨時証書の満了前に第1項による全面的な検査を受けて、 正式な証書の発給を受けなければなりません。臨時証書の期間には海上労働遵守措置認定書を出さなく ても構いません。
確認しておくこと
上の引用はMLC, 2006統合版(2022年改正を含む)の印刷83ページから85ページで取りました。上の表の 日付は条文の規則を例として計算したものであり、実際の証書の満了日は発給機関が書きます。その船 の証書に書かれた満了日が何月何日か、中間検査の裏書がすでに付いているか、そして更新検査の日程 が満了前三か月に入るかが、実際の判断の出発点です。
中間検査の窓も更新検査の時期も、証書の満了日から逆算して出てきます。Bellbookは船舶証書の満了日を台帳に置き、検査の履歴を同じ場所に付けるので、次の検査がいつ開くかを満了日から読めます。
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