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船員・労務

医師を乗せるべき船の二条件と、無線医療助言の無償の範囲(MLC規則4.1)

2026-07-20

船に医師が乗らなければならないのか、乗らなくてよいなら誰がその席を埋めるのか。MLC, 2006の 基準A4.1がこの問いに条件で答えます。条件が二つ重なって初めて医師が必須になり、重ならなければ 代替要件が開きます。そしてどちらであっても、船の外から来るものがもう一層敷かれています。

費用は原則として船員が負いません

(d) ensure that, to the extent consistent with the Member’s national law and practice, medical care and health protection services while a seafarer is on board ship or landed in a foreign port are provided free of charge to seafarers; and

無償の範囲は二か所です。船にいる間、そして外国の港に上陸している間です。下船後の一般的な 治療ではなく、航海中に外国の港で受ける診療がここに入ります。

基準線も条文にあります。陸上の労働者が一般に受けられるものにas comparable as possibleな水準 です。その範囲に不可欠な歯科治療が含まれると第1項が書きます。そして治療だけでなく、健康増進や 保健教育の計画のような予防的措置も範囲の内です。

寄港地で医師や歯科医師を遅滞なく訪ねる権利もあります。ただしこれにはwhere practicableが付いて います。

医師が必須になるのは二つの条件が重なるときです

(b) ships carrying 100 or more persons and ordinarily engaged on international voyages of more than three days’ duration shall carry a qualified medical doctor who is responsible for providing medical care;

二つの条件がandで結ばれています。乗船人員が100人以上であること、そして通常三日を超える国際 航海に従事することです。どちらか一方だけではこの号は発動しません。

ここで終わりではありません。同じ号が、そのほかどの船に医師を求めるかを旗国の法令に委ねます。 考慮要素として航海の期間と性格と条件、乗船船員の数が挙げられています。100人という数字は下限で あって判断のすべてではありません。

医師のいない船には二筋の代替要件があります

配置 求められる訓練
通常の職務の一部として医療と投薬を担当する船員一名以上 STCWの医療管理の訓練を満足に修了
応急手当を提供する能力のある船員一名以上 STCWの応急手当の訓練を満足に修了

どの水準を求めるかは旗国の法令が定めます。ここでも考慮要素は航海の期間と性格と条件、そして 乗船船員の数です。

医薬品箱と医療器具と医療の手引は、すべての船が備えます。その具体的内容は権限のある機関が定め、 定期的な検査の対象になります。

無線医療助言は旗国を問わず無償です

(d) the competent authority shall ensure by a prearranged system that medical advice by radio or satellite communication to ships at sea, including specialist advice, is available 24 hours a day; medical advice, including the onward transmission of medical messages by radio or satellite communication between a ship and those ashore giving the advice, shall be available free of charge to all ships irrespective of the flag that they fly.

この号は向きが違います。前の号が当該旗国の船への要求であるのに対し、これは all ships irrespective of the flag that they flyです。どの旗国の船でも無償で受けられなければ なりません。

さらに二つ付いています。一日24時間利用できること、そして専門医の助言も含まれることです。その 無償の範囲には、助言そのものだけでなく、船と陸上の助言者との間の医療メッセージの中継送信も 入ります。

医療の記録には秘密の条件が付きます

  1. The competent authority shall adopt a standard medical report form for use by the ships’ masters and relevant onshore and on-board medical personnel. The form, when completed, and its contents shall be kept confidential and shall only be used to facilitate the treatment of seafarers.

様式を定めるのは権限のある機関で、使うのは船長と陸上・船内の医療要員です。そして記入された様式 とその内容は秘密として保たれ、船員の治療を助ける目的にのみ用いられます。用途が条文で限られ ています。

航海中に死亡すればその国が遺体の送還を助けます

  1. Where a seafarer has died during a ship’s voyage, the Member in whose territory the death has occurred or, where the death has occurred on the high seas, into whose territorial waters the ship next enters, shall facilitate the repatriation of the body or ashes by the shipowner, in accordance with the wishes of the seafarer or their next of kin, as appropriate.

責任の主体が二筋で定まります。死亡が発生した領域の加盟国、そして公海で死亡した場合はその船が 次に入る領海の加盟国です。送還を行うのは船舶所有者であり、その国はこれを助けます。遺体とするか 遺骨とするかは、船員本人または近親の意思に従います。

確認しておくこと

上の引用はMLC, 2006統合版(2022年改正を含む)の印刷58ページから60ページで取りました。医薬品箱の 内容と訓練の水準、そして医師を求めるそのほかの船の範囲は旗国の法令が定めます。その船の乗船人員 と航海期間が上の二条件に掛かるか、医療を担う船員の訓練証書が生きているか、そして無線医療助言の 連絡経路が船内に掲げられているかが、実際の判断の出発点です。

Bellbookは船ごとに医療を担う船員とその訓練証書を同じ場所に置きます

医師のいない船では、誰が医療を担うかが条文の要件の半分で、その人の訓練証書が残り半分です。Bellbookは乗組員と証書を一つの画面に置くので、指定された人と証書が食い違っていればその場で表に出ます。

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