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環境・規制

オゾン層破壊物質の新規設置禁止日と記録簿の対象船(MARPOL附属書VI規則12)

2026-08-25

機関士が船内の冷蔵設備に冷媒を補充したとします。その冷媒がオゾン層破壊物質なら、この作業で 船に何が残らなければならないのか、そしてその設備をそもそも新たに取り付けられたのかが同時に 掛かります。MARPOL附属書VI規則12は、この二つの問いに別々のやり方で答えます。

一方は禁止です。ある物質を入れた設備は、定められた日以後は船に設置できません。もう一方は 記録です。禁止に掛からず船に残っている設備には、一覧と記録簿が付いて回ります。

この記事は、規則12が何を止め何を書かせるのかを条文の順に追います。二つの軸は別々の文から 出てきて、掛かる船も同じではありません。

永久密閉された設備はこの規則がそもそも触れません

1 This regulation does not apply to permanently sealed equipment where there are no refrigerant charging connections or potentially removable components containing ozone-depleting substances.

適用除外の基準は物質ではなく構造です。冷媒を入れる接続口がないこと、そしてオゾン層破壊物質を 含む部品を取り外せないこと。両方を満たす設備だけが規則12の外に出ます。

この一文が後ろの義務をすべて振り分けます。規則が適用されないので、一覧に載せることも記録簿に 書くこともありません。逆に充填接続口が一つでもあれば、その設備は再び規則の中に入ります。 充填できるということは、入れる作業と抜く作業が生じるという意味だからです。

禁止されるのは放出であり、整備中に出たものも放出です

2 Subject to the provisions of regulation 3.1, any deliberate emissions of ozone-depleting substances shall be prohibited. Deliberate emissions include emissions occurring in the course of maintaining, servicing, repairing or disposing of systems or equipment, except that deliberate emissions do not include minimal releases associated with the recapture or recycling of an ozone-depleting substance. Emissions arising from leaks of an ozone-depleting substance, whether or not the leaks are deliberate, may be regulated by Parties.

条文は故意の放出(deliberate emissions)の範囲を広く取ります。設備を維持し、整備し、修理し、 廃棄する過程で出た放出がここに入ります。弁をわざと開けたかを問いません。何をしていて出たのか を問います。

外れるのは一つです。物質を回収または再生する際に伴う最小限の放出です。ですから冷媒を回収装置 に抜き取る作業と大気へ放つ作業は、条文の別の場所に置かれます。

漏えいはまた別です。故意であれ故意でなくであれ、漏えいから生じた放出は締約国が規制できると 書かれているだけです。条約が直接禁じず、各国の法令に席を渡したのです。ただし記録簿は漏えいを そのままにしません。後に出てくる記入項目が、故意の放出と故意でない放出を並べて受けます。

新規設置の禁止は物質によって日付が二つに分かれます

3.1 Installations that contain ozone-depleting substances, other than hydrochlorofluorocarbons, shall be prohibited: .1 on ships constructed on or after 19 May 2005; or .2 in the case of ships constructed before 19 May 2005 which have a contractual delivery date of the equipment to the ship on or after 19 May 2005 or, in the absence of a contractual delivery date, the actual delivery of the equipment to the ship on or after 19 May 2005.

HCFCはこの項から外れています。次の項がHCFCだけを別に受けます。

3.2 Installations that contain hydrochlorofluorocarbons shall be prohibited: .1 on ships constructed on or after 1 January 2020; or .2 in the case of ships constructed before 1 January 2020 which have a contractual delivery date of the equipment to the ship on or after 1 January 2020 or, in the absence of a contractual delivery date, the actual delivery of the equipment to the ship on or after 1 January 2020.

二つの項は文の構造が同じで、違うのは日付だけです。

設備に入っている物質 設置が禁止される船 それ以前に建造された船に掛かる条件
HCFC以外のオゾン層破壊物質 2005年5月19日以後に建造 装置の契約引渡日が2005年5月19日以後。契約引渡日がなければ実際の引渡日
HCFC 2020年1月1日以後に建造 装置の契約引渡日が2020年1月1日以後。契約引渡日がなければ実際の引渡日

建造日だけを見てはいけない理由が右の欄にあります。その日より前に建造された船でも、後から装置 を積み込めば禁止に掛かります。禁止が船ではなく設備に付くからです。契約書がない場合に備えて、 実際の引渡日という二つ目の基準も併せて置いています。

逆にその日より前に船に入った設備はそのまま残ります。規則12は既にある設備を外せとは言いません。 ただし外すときの行き先は定めています。

4 The substances referred to in this regulation, and equipment containing such substances, shall be delivered to appropriate reception facilities when removed from ships.

物質だけでなく、その物質を含む装置まで受入施設に渡ります。そしてこの引渡しは、後で記録簿の 記入事由になります。

一覧は対象船すべてに、記録簿は再充填可能なシステムを積む船だけに掛かります

5 Each ship subject to regulation 6.1 shall maintain a list of equipment containing ozone-depleting substances.

6 Each ship subject to regulation 6.1 that has rechargeable systems that contain ozone-depleting substances shall maintain an ozone-depleting substances record book. This record book may form part of an existing logbook or electronic record book as approved by the Administration. An electronic recording system referred to in regulation 12.6, as adopted by resolution MEPC.176(58), shall be considered an electronic record book, provided the electronic recording system is approved by the Administration on or before the first IAPP Certificate renewal survey carried out on or after 1 October 2020, but not later than 1 October 2025, taking into account the guidelines developed by the Organization.

二つの項は前半が同じです。規則6.1の適用を受ける船です。後半が違います。一覧はその船がすべて 作ります。記録簿には条件がもう一つ付きます。オゾン層破壊物質を含む再充填可能なシステム (rechargeable systems)がなければなりません。

そこで船は三つに分かれます。

  • 永久密閉された設備しかない船:規則12.1により規則の外です。一覧も記録簿もありません。
  • 取り外せる部品はあるが充填できない設備を積む船:一覧は作り、記録簿は置きません。
  • 充填できる設備を積む船:一覧と記録簿の両方を置きます。

記録簿の形式は開かれています。既に使っている日誌の一部としてもよく、主管庁が承認した電子 記録簿としてもよいのです。ただし規則12.6は承認の時期に条件を付けます。決議MEPC.176(58)の 電子記録装置を電子記録簿として認めてもらうには、主管庁の承認が要ります。その承認は2020年 10月1日以後に実施する最初のIAPP証書の更新検査までに受けなければならず、遅くとも2025年 10月1日を越えられません。

記入はキログラムで、五つの事象ごとに遅滞なく行います

7 Entries in the ozone-depleting substances record book shall be recorded in terms of mass (kg) of substance and shall be completed without delay on each occasion, in respect of the following:

記入の単位は質量です。容器の本数でも作業の件数でもなく、キログラムで書きます。時期も決まって います。without delay on each occasionですから、事象があるたびにその場で書きます。航海が 終わってからまとめて書くやり方は条文が塞いでいます。

記入事由は五つです。

  • オゾン層破壊物質を含む装置の再充填。全部でも一部でも書きます
  • その装置の修理または整備
  • 大気への放出。故意と故意でないものを分けて書きます
  • 陸上の受入施設への排出
  • 船へのオゾン層破壊物質の供給

五つを並べると、記録簿が何を追っているのかが見えます。物質が船に入り、装置に入り、装置を開け ている間に動き、外へ出ます。同じ物質を同じ単位で書いておけば、入った量と出た量を突き合わせ られます。キログラムと定めた理由がここにあります。

大気への放出を故意と故意でないものに分けたことも、同じ場所から読めます。規則12.2は故意の放出 だけを禁じますが、記録簿は両方を受けます。禁止の範囲と記録の範囲は同じではありません。

確認しておくこと

上の引用は、決議MEPC.328(76)で採択された改正附属書VIの印刷20ページから22ページから取りました。 規則12は強制規定ですが、この引用だけでは答えの出ない場所があります。

一つ目は規則6.1の適用範囲です。一覧と記録簿の対象船はそこで決まりますが、その条文はこの引用の 外にあります。二つ目は漏えいからの放出です。規則12.2が締約国に渡したので、旗国と寄港国の法令 を見る必要があります。三つ目は電子記録簿の承認です。何を承認された電子記録簿と見るかは主管庁 が定めます。appropriate reception facilitiesがどの施設かも条文は指定していません。

Bellbookは整備対象の装置を一覧で持ち、完了報告を装置ごとに残します

オゾン層破壊物質記録簿の記入は、どの装置をいつ充填し整備したかから出てきます。BellbookはPMSに装置の一覧と整備計画を置き、完了報告を装置ごとに日付とともに残します。

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