SEEMPに何を書くかを分ける三つの層と、D・E格付けの是正措置の期限(MARPOL附属書VI規則26)

2021年改正MARPOL附属書VI規則26は、船舶のトン数と船種に応じてSEEMPの備付けと記載事項を定めます。運航格付けによっては、是正措置を計画に反映する必要があります。
第4章が適用される400 GT以上の船はSEEMP Part Iを備えます
規則26は第4章の適用範囲と併せて読みます。MEPC.1/Circ.925はPart Iの対象を400 GT以上と説明しています。規則19の除外・例外も確認し、トン数だけで全船を判定しません。
1 Each ship shall keep on board a ship specific Ship Energy Efficiency Management Plan (SEEMP). This may form part of the ship’s Safety Management System (SMS).
二つ書かれています。船ごとの文書であることと、安全管理システムの一部を成し得ることです。別の文書 として置くか、SMSの中に入れるかが開いています。作成と見直しは、機関が採択した指針を考慮して行い ます。
総トン数5,000トン以上には追加要件があります
5,000トン以上の船のSEEMPには、規則27.1が求めるデータを収集する方法論と、そのデータを旗国の主管 庁へ報告する手順の記述が入らなければなりません。
追加のSEEMP要件は、船舶の実施計画に加え、データの収集・報告方法を定めます。
追加記載事項はトン数と船種で決まります
5,000トン以上であって、附属書が掲げる船種に当たる場合は、2023年1月1日までにSEEMPへさらに四つが 入らなければなりませんでした。
| 入れるべきもの | 内容 |
|---|---|
| 算出の方法論と報告の手順 | 規則28が求める達成年間運航CIIをどう計算し、どう報告するか |
| 今後三年の要求CII | 規則28が定める値 |
| 実施計画 | その三年で要求CIIをどう達成するかを文書化したもの |
| 自己評価と改善の手順 | 自ら評価し直す手順 |
三年間の実施計画は将来に向けたものです。前年の結果を報告するだけでなく、今後の措置を記載します。
格付けが下がると文書が開き直します
規則28が達成CIIを要求CIIと照らしてAからEまでの格付けを付けます。C格の中間点が要求CIIと同じ値です。 そして格付けが悪ければSEEMPへ戻ります。
三年連続でDを受けた船、またはEを受けた船は、要求CIIを達成するための是正措置の計画を作らなければ なりません。その計画を載せるようSEEMPを改訂するのが次の段階で、ここに期限が付きます。
8 The SEEMP shall be reviewed to include the plan of corrective actions accordingly, taking into account the guidelines to be developed by the Organization. The revised SEEMP shall be submitted to the Administration or any organization duly authorized by it for verification, preferably together with, but in no case later than 1 month after reporting the attained annual operational CII in accordance with paragraph 2 of this regulation.
preferably together withが勧告で、in no case later than 1 monthが上限です。起算点は達成CIIを
報告した時点です。そして規則28はその報告を暦年の終了後三か月以内に行うと定めます。二つの期限が
つながっています。
計画を出した後もまだ残ります。三年連続でDまたはEを受けた船は、改訂したSEEMPに従って計画した是正 措置を実際に行わなければなりません。文書の提出で終わる構造ではありません。
この文書は検証と会社監査の対象です
.3 The SEEMP shall be subject to verification and company audits taking into account the guidelines to be developed by the Organization.
検証と会社監査の二つが併せて書かれています。船内に文書があることと、その文書が実際に使われている こととが、別の確認対象だという意味です。
確認しておくこと
上の引用は2021年改正MARPOL附属書VI(MEPC.328(76))の42ページと45ページから取りました。要求CIIを 作る削減係数と基準値、そして格付け算定の細部は、機関が策定する指針が定めます。その船が三層目に 当たる船種か、過去三年の格付けが何であったか、そしてSEEMPに書いた三年の実施計画が今の実績と食い 違っていないかが、実際の判断の出発点です。
格付け履歴と実際の報告日を併せて確認します
以下は規則28の条件を当てはめた架空の例です。年は報告書の提出年ではなく実績年を示します。
| 2023 → 2024 → 2025の格付け | 是正措置計画の判断 |
|---|---|
| D → D → D | 3年連続Dのため必要 |
| C → C → E | Eのため必要 |
| D → C → D | この履歴だけでは発動条件に該当しない |
最後の例でも既存SEEMPの実施と評価は必要です。2025年実績のCIIを2026-02-20に報告した場合、計画が必要な船の改訂SEEMP提出期限は2026-03-20です。2026-03-31に報告した場合は2026-04-30です。全船の期限を一律に2026-04-30とすると、最初の例では遅れます。実際の報告受付記録を基に検証機関と日程を確認します。
措置を完了扱いにする前に根拠を残します
MEPC.1/Circ.925の第15節は、原因、措置、日程、責任者、効果を結び付けます。以下はBellbookが作成した架空の検討メモであり、改善率を実測した事例ではありません。
| 検討項目 | 架空のメモ |
|---|---|
| 観察と仮説 | 同等の運航条件で燃料消費が増加。船体汚損の可能性は未確認 |
| 確認する資料 | 喫水・気象・速力・計測補正をそろえて比較し、船体点検結果を確認 |
| 措置と責任 | 技術担当者が点検の根拠を評価し、必要な整備範囲と日程を決定 |
| 効果の確認 | 整備前後を同条件で比較し、年間予測CIIを再計算 |
| 完了判断 | 作業完了と効果確認を分け、効果が不足すれば原因と追加措置を再検討 |
SEEMP措置検討表CSVに根拠資料、目標、担当者、期限、検討結果を記録できます。空欄の補助様式であり、承認済みSEEMPや公式検証様式の代わりではありません。目標は船舶の資料から求め、任意の削減率を記入しません。
計画の検証と年間実績の検証を区別します
MEPC.347(78)はPart IIIの内容更新時および少なくとも3年ごとの定期検証と、是正措置計画の追加検証を扱います。計画のConfirmation of Complianceと年間データ・格付けのStatement of Complianceを混同しません。提出、検証、実施の根拠をそれぞれ保管します。
引用した原文を直接確認できます
以下は、この記事で扱う文書の公式発行元へのリンクです。本文に記載した版と条項を照合し、実際の適用前にその後の改正と旗国の実施要件を確認してください。
関連する業務の解説も確認できます
SEEMPは検証と会社監査の対象であると条文が書いています。Bellbookは船ごとに監査の日程とそこで出た指摘を期限とともに置くので、次の監査までに何が開いているかが一覧で見えます。
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