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船員・労務

基本安全訓練の五年ごとの更新で二科目だけが残る理由と、船上経験の受入れ(STCWコードA-VI/1)

2026-07-31

基本安全訓練の証書の有効期間が五年という言い方は広く使われますが、STCWコードA-VI/1をそのまま読むと、 五年ごとに能力の維持を証明すべき対象は四科目の全部ではありません。この記事はその境目を見ます。

まず慣熟と基本訓練は別の層です

1 Before being assigned to shipboard duties, all persons employed or engaged on a seagoing ship, other than passengers, shall receive approved familiarization training in personal survival techniques or receive sufficient information and instruction, taking account of the guidance given in part B, to be able to:

対象がall personsであり、旅客だけが外れます。船員かどうか、どの職務かを問いません。そして修得の 形に選択肢があります。承認された慣熟訓練を受けるか、または十分な情報と指示を受ければよい。

備えるべき能力は七つ列挙されています。

  • 基本的な安全事項について他の者と意思疎通し、安全の表示と警報の信号を理解すること
  • 人が海中に転落したとき、火災や煙を発見したとき、火災や退船の警報が鳴ったときに何をするかを知ること
  • 集合場所と乗艇場所と非常脱出経路を識別すること
  • 救命胴衣を見つけて着用すること
  • 警報を発し、携帯消火器の使用について基礎的な知識を持つこと
  • 事故や医療上の緊急に際し、船内でさらに助けを求める前に直ちに措置すること
  • その船に設けられた防火戸と風雨密戸と水密戸を開閉すること

基本訓練は対象が狭い。船舶の運航において指定された安全または汚染防止の職務を持つ船員が、船内の 職務に配される前に受けます。

基本訓練は四科目です

科目
個人の生存技術 A-VI/1-1
防火と消火 A-VI/1-2
初歩的な応急手当 A-VI/1-3
個人の安全と社会的責任 A-VI/1-4

能力の達成を証明する方法も定まっています。表の第3欄と第4欄にある評価の方法と基準に従った能力の実演、 そして承認された訓練計画の一部としての、表の第2欄の科目についての試験または継続的な評価です。

五年ごとに証明すべきものはそのうち二つです

3 Seafarers qualified in accordance with paragraph 2 in basic training shall be required, every five years, to provide evidence of having maintained the required standard of competence, to undertake the tasks, duties and responsibilities listed in column 1 of tables A-VI/1-1 and A-VI/1-2.

条文が名指しした表は二つです。A-VI/1-1とA-VI/1-2、すなわち個人の生存技術と防火・消火です。初歩的な 応急手当と、個人の安全と社会的責任は、この一文に入っていません。

四科目を一枚の証書で受けていたとしても、五年ごとに維持を証明せよと条文が求める対象は二つだという 意味です。ただし証書の形と更新の手続は旗国の法令が定めるので、実際の証書の有効期間は条文ではなく その旗国の制度から出ます。

維持の証拠として船上訓練と経験を受け入れられます

当事国は能力維持の証拠として船上訓練と経験を受け入れることができ、受け入れられる項目が条文に列挙 されています。

船上訓練・経験で受け入れられる項目
A-VI/1-1 救命胴衣の着用 · 救命胴衣を着けたまま本船から生存艇へ乗り移ること · 救命艇に乗った後に生存の可能性を高める初期の措置 · 救命艇のドローグまたはシーアンカーの投入 · 生存艇の装備の操作 · 無線機器を含む位置表示装置の操作
A-VI/1-2 自給式呼吸具の使用 · 承認された発煙装置を用い、呼吸具を着けて煙の充満した区画で救助を行うこと

受け入れられる項目が前の二つの表からだけ出てくる点が、前の節とつながります。五年ごとに維持を証明 すべき二科目が、そのまま船上訓練で証明できる二科目です。

免除の扉が開く船が定まっています

5 The Administration may, in respect of ships other than passenger ships of more than 500 gross tonnage engaged on international voyages and tankers, if it considers that a ship’s size and the length or character of its voyage are such as to render the application of the full requirements of this section unreasonable or impracticable, exempt to that extent the seafarers on such a ship or class of ships from some of the requirements, bearing in mind the safety of people on board, the ship and property and the protection of the marine environment.

外れる船が先に書かれています。国際航海に従事する総トン数500トンを超える旅客船とタンカーです。これ らには免除が開きません。

ほかの船についても免除は自動ではありません。主管庁が船の大きさと航海の長さや性格を見て、この節の 全部を適用することが不合理または実行不可能だと判断しなければならず、その範囲までしか免除されません。 判断にあたっては、船内の人と船舶と財産の安全、そして海洋環境の保護を念頭に置かなければなりません。

確認しておくこと

上の引用はSTCW/CONF.2/34のコードA-VI/1、印刷180ページと181ページから取りました。証書の形と更新の 手続、そして船上訓練をどの記録で認めるかは旗国の法令が定めます。その船員の証書に書かれた満了日が いつか、船上訓練の記録が受け入れられる項目を実際に含んでいるか、そしてその船に免除が適用されるかが、 実際の判断の出発点です。

Bellbookは船上訓練と消火・退船訓練を日付と参加者まで記録に残します

条文は能力維持の証拠として船上訓練と経験を受け入れられるよう開いています。Bellbookは船内で実施した訓練を、いつ誰が参加したかまで残すので、その記録が後で証拠として使える形で積み上がります。

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