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新規乗船者の慣熟に会社が出すべき書面の指示と指名された乗組員(STCWコードA-I/14)

STCWコードA-I/14は、新規乗船者の習熟に関する会社・船長・船員の責任を定めます。会社は船長に書面の指示を出し、指定された乗組員が新規乗船者を支援できる体制を整えます。

責任が三つの主体に同時に掛かります

1 Companies, masters and crew members each have responsibility for ensuring that the obligations set out in this section are given full and complete effect and that such other measures as may be necessary are taken to ensure that each crew member can make a knowledgeable and informed contribution to the safe operation of the ship.

会社と船長と乗組員が並んで書かれています。どれか一方に寄せた構造ではなく、それぞれが責任を負い ます。そして目的が文末にあります。各乗組員が船舶の安全な運航に、知ったうえで寄与できるように することです。

出発点は会社が船長に渡す書面の指示です

2 The company shall provide written instructions to the master of each ship to which the Convention applies, setting forth the policies and the procedures to be followed to ensure that all seafarers who are newly employed on board the ship are given a reasonable opportunity to become familiar with the shipboard equipment, operating procedures and other arrangements needed for the proper performance of their duties, before being assigned to those duties.

三か所を見る必要があります。第一に、形式がwritten instructionsです。口頭の指示や慣行ではなく 書面です。第二に、受け取る相手が船長です。第三に、時点がbefore being assigned to those duties です。職務に就いた後で覚えるのではなく、就く前に機会が与えられなければなりません。

指示に必ず入るべきものが二つあります

一つ目は合理的な期間の割当てです。新たに雇用された船員が慣れるべき対象も、条文が二つに分けて 書きます。

慣れるべき対象 範囲
その船員が使用し、または運転する特定の設備 個々の設備の単位
船舶固有の当直・安全・環境保護・保安・非常の手順と設備 その職務を適切に行うために知っておくべきもの

二つ目は人です。

.2 designation of a knowledgeable crew member who will be responsible for ensuring that an opportunity is provided to each newly employed seafarer to receive essential information in a language the seafarer understands.

指名された乗組員がいなければならず、その人が担うのは情報を渡す行為ではなく、機会が与えられるよう にすることです。そして条件が一つ付きます。in a language the seafarer understandsです。船内の 掲示や手順書がその船員の理解しない言語だけであれば、この要件を満たしません。

会社の義務は七項目です

STCW規則I/14.1は会社に次の確保を求めます。

  • 担当職務に適した有効な資格
  • 旗国の安全配員要件の充足
  • 条約で要求される再訓練・更新訓練
  • 経歴・訓練・健康適性・能力の記録の維持と即時アクセス
  • 担当職務と船内設備・手順への慣熟
  • 安全・保安・汚染防止業務と緊急時の乗組員の連携
  • SOLAS V/14.3・4に従う効果的な船内口頭通信

慣熟の署名だけで他の義務を満たしたとは判断できません。配乗前に資格・更新訓練・健康適性・使用言語を確認し、記録の保管場所を決めます。

ローロー旅客船には追加要件があります

3 Companies shall ensure that masters, officers and other personnel assigned specific duties and responsibilities on board their ro-ro passenger ships shall have completed familiarization training to attain the abilities that are appropriate to the capacity to be filled and duties and responsibilities to be taken up, taking into account the guidance given in section B-I/14 of this Code.

対象が船長と職員だけでなく、特定の職務と責任を割り当てられたその他の要員までです。そして求められ るのが機会の提供ではなく、慣熟訓練の修了です。

確認しておくこと

上の引用はSTCW/CONF.2/34のコードA-I/14から取りました。合理的な期間が何日か、指名する乗組員を誰に するか、書面の指示の形式が何かは、条文が定めません。その会社の書面の指示が実際に船長へ届いている か、指名された人が船ごとに決まっているか、そして必須の情報がその船員の理解する言語で用意されて いるかが、実際の判断の出発点です。

同じ職位で転船しても装備が違えば確認し直します

有効な資格を持つ航海士が同じ会社の別船へ移り、航海装備や非常時の切替手順が前船と異なる架空の例です。前船での習熟確認の署名は、今回の装備を学ぶ機会が与えられた証拠にはなりません。

船長は会社の書面指示に従い、担当乗組員と時間を確保し、新たな船員が理解できる言語で装備・手順に習熟する機会を設けます。記録に対象装備・手順、案内者、実施時点、未解決事項を残すと、職務への配置判断に役立ちます。

署名欄の記入と職務に必要な理解を区別します。未解決事項が職務遂行に影響するなら、それを解消する機会と配置を調整します。この記録項目は説明上の提案であり、条約が一律の時間や様式を定めるという意味ではありません。

引用した原文を直接確認できます

以下は、この記事で扱う文書の公式発行元へのリンクです。本文に記載した版と条項を照合し、実際の適用前にその後の改正と旗国の実施要件を確認してください。

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