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検査・審査

PSC 指摘書の ACTION コード別 是正期限と処理方法

2026-07-01

ポートステートコントロール(PSC)の検査が終わると、検査官は欠陥の一覧を記した指摘書を残します。指摘書には 2 種類のコードが入ります。欠陥コードは何が問題かを分類し、ACTION コードはいつまでにどの手順で処理するかを指定します。 出港日程に直接かかわるのは ACTION コードです。

同じ欠陥コードでも、ACTION コードが 17 なら当該港を出る前に是正しなければならず、18 なら 3 か月の期限が与えられます。30 なら出港そのものが止まります。

期限を決めるコードと連絡先を決めるコードは別物です

Tokyo MOU と Paris MOU が用いる標準の措置コードです。

コード 意味 期限・手順としての意味
10 是正済 検査中にその場で是正。指摘の履歴は記録に残る
15 次港で是正 次の入港地が基準
16 14 日以内に是正 暦日で 14 日
17 出港前に是正 当該港を離れる前
18 3 か月以内に是正 暦月で 3 か月
30 出港停止(拘留)対象 解除されるまで出港できない
45 出港停止相当の欠陥、次港で是正 合意した次港で処理
49 MLC 是正計画の合意 MLC の欠陥に適用される手順
50 旗国・領事へ通報 期限コードではなく通報手順の指定
55 旗国と協議 上と同じ
70 船級へ通報 上と同じ
99 その他 指摘書本文の記載に従う

期限コード(15161718)と手順コード(505570)は性質が違います。前者は日付を、後者は連絡すべき相手を指定します。

コードを取り違えると、どちらに間違えても損をします

1. 17 は出港でき、30 はできません

17 は当該港を離れる前に是正せよという指示です。予定の出港時刻より前に直せば日程はそのままです。30 は出港停止(detention)です。是正したと報告しても解除されず、検査官が再検査して初めて出港できます。

この 2 つを取り違えると、どちらに間違えても損をします。1730 と読めば、起きてもいない出港停止を代理店と傭船者に伝えることになります。3017 と読めば、再検査の予定を組まないまま出港準備を進め、かえって出港が遅れます。

2. 16 の 14 日は航海中に過ぎることがあります

16 は指摘を受けた日から暦日で 14 日です。次港までの航海日数とは連動しません。航海が 14 日を超えれば、期限は海上で過ぎます。

ですから出港前に、到着予定日と期限日を並べて確認する必要があります。期限が航海中に来る日程なら、出港前にどちらかを決めておきます。船上で直すか、中間の寄港地で資材と技術者を手配するかです。

3. その場で直した 10 もリスクプロファイルに残ります

10 は検査中にその場で是正が完了した欠陥です。是正が終わったという意味であって、指摘がなかったという意味ではありません。

指摘の件数は検査記録にそのまま残ります。Tokyo MOU は新検査体制(NIR)で船ごとにリスクプロファイルを算定し、過去の欠陥と出港停止の履歴がそこに反映されます。このプロファイルが、次の検査をいつどの程度受けるかを左右します。

4. 49 は期限を延ばすコードではありません

49(是正計画の合意)は MLC の欠陥に付く手順コードです。一般の安全欠陥の期限を延ばす手段ではありません。労働条件の欠陥と安全設備の欠陥は、処理の経路が違います。

505570 も期限コードではありません。旗国や船級が手続に加わるという表示であり、その機関に連絡するのは船ではなく陸上です。

欠陥コードはその日ではなく、集計するときに効きます

ACTION コードが今回の航海の日程を決めるのに対し、欠陥コードは会社の安全管理システムを見るための軸です。Tokyo MOU 分類の大分類は次のとおりです。

コード 分類 コード 分類
01 証書および書類 10 安全航行
02 船体構造の状態 11 救命設備
03 水密の状態 12 危険物
04 非常時システム 13 推進および補機
05 無線通信 14 汚染防止
06 貨物作業 15 ISM
07 防火設備 18 労働条件
08 警報 99 その他
09 就労および生活

1 件ずつ見れば、それぞれ別の出来事です。船隊全体を期間でまとめて数えたときに同じ大分類が繰り返し出るなら、それは個々の欠陥ではなく、システムが出している信号です。

1 隻で 07(防火設備)が繰り返すなら、整備周期か点検項目が実際の状態を捉えられていないという意味です。複数の船で 01(証書および書類)が出るなら、有効期限を担当者の記憶に任せているという意味です。ISM コード第 9 章が求める不適合の分析は、この層で行います。是正報告をいくら積み上げても、ここには届きません。

6 つの項目が同じ場所にそろって初めて数えられます

次の 6 つが 1 か所にそろっている必要があります。審査で確認される項目であり、上の集計をしようにも、これがなければ数えられません。

  1. 指摘書の原本または写し
  2. 欠陥コードと ACTION コード
  3. 期限の日付(コードではなく、実際の日付に換算した値)
  4. 是正の内容と完了の証跡
  5. 根本原因
  6. 再発防止の措置

3 番は注意が必要です。指摘書にはコードだけが記載され、日付は記載されません。指摘を受けた日にその場で日付に換算して記録しなければ、期限はどこにも残らず、後から誰もその日付を計算し直しません。

5 番と 6 番は ISM コード第 9 章が求める項目です。その場の是正だけを記録して原因を空欄にすると、同じ欠陥が別の船で再発したときに、それが 2 回目だと判別する根拠が残りません。

コードセットは MOU と改訂版ごとに異なります

措置コードのセットと出港停止の判定基準は、MOU ごとに、また改訂版によって異なることがあります。実際の処理は、受領した指摘書の原本と、当該 MOU の最新の欠陥コード一覧を基準としてください。上の表は Tokyo MOU と Paris MOU が用いる標準のコードセットを整理したものです。

Bellbook は指摘 1 件ごとに期限の日付と根本原因をあわせて記録します

欠陥コードと ACTION コード、コードから換算した実際の期限日、是正内容と根本原因が同じ場所に残ります。船隊全体を欠陥コードの大分類で集計すれば、同じ分類が何回目かを確認できます。PSC と FSC の指摘を ISM の手順どおりに登録し、終結まで追跡します。

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