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電気電子士官と電気電子部員の資格要件の比較と乗船履歴の三つの道(STCW条約第III/6規則・第III/7規則)

2010年のマニラ改正は、STCW条約第III章に電気電子士官(electro-technical officer、ETO)と電気電子部員(electro-technical rating、ETR)という二つの資格を加えました。第III/6規則が士官、第III/7規則が部員を扱います。二つの規則は同じ船に適用されますが、証書の種類と乗船履歴の要件が異なります。

この記事は二つの規則の文を並べて比較します。どの船に適用されるのか、乗船履歴をどの道で満たすのか、ETOだけに付く追加の基準は何か、改正前の証書と他の有資格者をどう扱うのかを見ます。

適用の下限は同じで証書の種類が異なります

1 Every electro-technical officer serving on a seagoing ship powered by main propulsion machinery of 750 kW propulsion power or more shall hold a certificate of competency.

1 Every electro-technical rating serving on a seagoing ship powered by main propulsion machinery of 750 kW propulsion power or more shall be duly certificated.

最初の文が第III/6規則、二番目の文が第III/7規則です。適用の下限はどちらも主機出力750 kW以上の航海船です。異なるのは末尾です。ETOはcertificate of competency、すなわち海技証書を持たなければなりません。ETRはduly certificated、すなわち適法に証書を受けていれば足ります。士官は海技証書、部員は資格証書という第III章の区分がここでも維持されます。

規則はETOやETRを必ず乗せよとは言っていません。その職務で乗船する人がいれば証書を持たなければならないと言っています。乗せる必要があるかどうかは、その船の最小安全配員証書が定めます。

ETOの乗船履歴は12か月の道と36か月の道のいずれかです

.2 have completed not less than 12 months of combined workshop skills training and approved seagoing service of which not less than 6 months shall be seagoing service as part of an approved training programme which meets the requirements of section A-III/6 of the STCW Code and is documented in an approved training record book, or otherwise not less than 36 months of combined workshop skills training and approved seagoing service of which not less than 30 months shall be seagoing service in the engine department;

第III/6規則2項の乗船履歴の要件です。一つの文の中にor otherwiseで分かれた二つの道があります。

第一の道は、工作技能訓練と承認された乗船履歴を合わせて12か月以上です。そのうち6か月以上は、コードA-III/6の要件を満たす承認された訓練計画の一部としての乗船勤務であり、承認された訓練記録簿に記録されなければなりません。第二の道は同じ組合せで36か月以上であり、そのうち30か月以上は機関部での乗船勤務です。第二の道には訓練記録簿の条件は付きません。

第一の道の訓練計画が備えるべき条件は、コードA-III/6の2項にあります。

2 Every candidate for certification as electro-technical officer shall follow an approved programme of onboard training which: .1 ensures that, during the required period of seagoing service, the candidate receives systematic practical training and experience in the tasks, duties and responsibilities of an electro-technical officer; .2 is closely supervised and monitored by qualified and certificated officers aboard the ships in which the approved seagoing service is performed; and .3 is adequately documented in a training record book.

船上訓練計画の条件は三つです。ETOの職務に関する体系的な実務訓練、乗船した船の有資格の士官による綿密な監督、訓練記録簿への記載です。訓練記録簿は12か月の道の証拠であると同時に、コードA-III/6が求める計画の構成要素です。記録簿なしに乗船期間だけを満たした場合、その期間は36か月の道で数えなければなりません。

ETRの乗船履歴は三つの道があり期間が異なります

.2 have: .2.1 completed approved seagoing service including not less than 12 months training and experience, or .2.2 completed approved training, including an approved period of seagoing service which shall not be less than 6 months, or .2.3 qualifications that meet the technical competences in table A-III/7 and an approved period of seagoing service, which shall not be less than 3 months; and

第III/7規則2項です。道が三つあり、乗船期間の下限が異なります。承認された乗船履歴だけで進めば12か月、承認された訓練を経ればその中の乗船期間6か月、表A-III/7の技術的能力を満たす資格があれば乗船期間3か月です。陸上で備えた資格が多いほど、求められる乗船期間が短くなる構造です。

第三の道のqualifications that meet the technical competences in table A-III/7は、陸上の電気技術資格を持つ人が入ってくる扉です。その資格が表の能力を満たすかどうかは締約国が判断します。

比較項目 ETO(第III/6規則) ETR(第III/7規則)
適用船舶 主機750 kW以上 主機750 kW以上
証書 海技証書(certificate of competency) 適法な証書(duly certificated)
最低年齢 18歳 18歳
乗船履歴の道 訓練+乗船12か月(乗船6か月、訓練記録簿)または訓練+乗船36か月(機関部乗船30か月) 乗船12か月、または承認訓練+乗船6か月、または表A-III/7の能力資格+乗船3か月
能力の基準 コードA-III/6 コードA-III/7
追加の基準 A-VI/1・A-VI/2・A-VI/3・A-VI/4の指定項 なし

ETOは安全・生存艇・消火・医療の基準も併せて満たす必要があります

.4 meet the standard of competence specified in section A-VI/1, paragraph 2, section A-VI/2, paragraphs 1 to 4, section A-VI/3, paragraphs 1 to 4 and section A-VI/4, paragraphs 1 to 3 of the STCW Code.

第III/6規則2項の最後の項目です。基本訓練(A-VI/1)、生存艇・救助艇(A-VI/2)、上級消火(A-VI/3)、医療応急処置(A-VI/4)の指定された項を満たさなければなりません。機関士の第III/1規則と同じ束です。第III/7規則にはこの項目がありません。ETRの基本安全訓練は、すべての船員に適用される第VI/1規則の側から来ます。

証書の管理においてこの項目の意味は一つです。ETOの海技証書一枚を確認すれば終わりではありません。生存艇と上級消火の資格はそれぞれ5年ごとに維持の証拠が必要であり、その満了日は海技証書の満了日と異なり得ます。

2012年より前の証書と60か月以内の勤務は経過措置で扱います

4 Seafarers may be considered by the Party to have met the requirements of this regulation if they have served in a relevant capacity on board a ship for a period of not less than 12 months within the last 60 months preceding the entry into force of this regulation for that Party and meet the standard of competence specified in section A-III/6 of the STCW Code.

第III/6規則4項です。規則がその締約国で発効する前の60か月以内に、12か月以上該当する職務で勤務した人は、締約国の判断で要件を満たしたものとみなすことができます。ただしコードA-III/6の能力の基準は満たさなければなりません。第III/7規則4項はETRに同じ構造を置きます。

二つの規則の3項は、2012年1月1日より前に発給された証書を扱います。締約国は当時要求していた能力の基準をコードの基準と比較し、補完教育が必要かどうかを定めます。改正前の証書が自動的に無効になるわけではなく、補完が必要かを判断する主体は締約国です。

他の有資格者が一部の機能を遂行することができます

5 Notwithstanding the above requirements of paragraph 1 to 4, a suitably qualified person may be considered by a Party to be able to perform certain functions of section A-III/6.

第III/6規則5項です。第III/7規則5項も同じ文をA-III/7について置きます。a suitably qualified personがcertain functionsを遂行できると締約国がみなすことができます。すべてではなく一部の機能であり、判断の主体は締約国です。

この条項は、ETO証書なしにETOの職務全体を任せられるという意味ではありません。誰がどの機能を担えるかは、旗国が定めた範囲の中でのみ成り立ちます。配員証書にETOが記されていれば、その職位は海技証書を持つ人で埋めなければなりません。

確認しておくこと

この記事は第III/6規則・第III/7規則の本文とコードA-III/6の訓練の条項までを扱います。表A-III/6と表A-III/7の能力項目は扱いません。乗船履歴のapprovedは旗国の承認を意味するので、どの訓練計画と訓練記録簿が承認されたものかは、証書を発給する旗国の規定で確認します。

ETOを乗せる必要があるかどうかは、この規則ではなくその船の最小安全配員証書が定めます。証書にETOがない船で電気設備を機関士が担うことと、証書にETOがあるのにその職位を空けることは別の問題です。

引用した原文を直接確認できます

以下は、この記事で扱う文書の公式発行元へのリンクです。本文に記載した版と条項を照合し、実際の適用前にその後の改正と旗国の実施要件を確認してください。

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