カナダ北極海とノルウェー海の排出規制海域の発効日と適用開始日(MEPC.392(82))

決議MEPC.392(82)は、カナダ北極海とノルウェー海をMARPOL附属書VIの排出規制海域に加えます。硫黄酸化物と粒子状物質は両海域に掛かり、窒素酸化物のTier IIIは海域ごとに異なる建造日を基準に掛かります。
この改正は日付が三層です。改正が発効する日、硫黄分限度が実際に適用される日、そしてTier III機関が求められる船を分ける建造日です。発効日だけを見て燃料切替えの計画を立てると、硫黄分限度を1年早く適用するか、建造日を読み違えてTier IIIの対象でない船を対象に数えてしまいます。
適用範囲: この記事が扱う要件は、カナダ北極海排出規制海域とノルウェー海排出規制海域の中で運航する船にだけ掛かります。両海域の外では附属書VIの一般の限度がそのまま適用されます。世界共通の義務ではなく、指定された海域の中でだけ働く地域制度です。
改正は2026-03-01に発効します
3 INVITES the Parties to note that, in accordance with article 16(2)(g)(ii) of MARPOL, the said amendments shall enter into force on 1 March 2026 upon their acceptance in accordance with paragraph 2 above;
決議は2024年10月4日に採択されました。第2項は、締約国の異議がなければ2025年9月1日に受諾されたものとみなすと定めます。第3項がその受諾を前提に発効日を2026年3月1日と置きます。
発効日は改正条文が附属書VIの一部になる日です。すべての要件がその日から掛かるわけではありません。硫黄分限度には、下で見るように規則14.7が別に時間を与えます。
二つの海域が規則14.3と規則13.6の一覧に入ります
.6 the Canadian Arctic Emission Control area, which means the area described by the coordinates provided in appendix VII to this Annex; and .7 the Norwegian Sea as defined in regulation 13.9.4 of Annex II of the present Convention.
規則14.3は硫黄酸化物・粒子状物質の排出規制海域の一覧です。改正はこの一覧の末尾に第6号と第7号を加えます。カナダ北極海は付録VIIの座標で境界を定め、ノルウェー海は別の附属書の定義を引いてきます。
窒素酸化物の側の一覧である規則13.6にも、同じ二つの海域が第5号と第6号として入ります。二つの一覧は同じ海域を指しますが、適用条件は規則14と規則13が別々に定めます。
付録VIIの第1項も変わります。バルト海と北海に加えて、ノルウェー海も付録の座標一覧の外で定義される海域になります。カナダ北極海の境界は付録VIIの第5項に、二つの区間に分けた座標で書かれます。
硫黄分限度0.10%は発効日から12か月後に掛かります
4 While a ship is operating within an emission control area, the sulphur content of fuel oil used on board that ship shall not exceed 0.10% m/m.
排出規制海域の中で使う燃料油の硫黄分限度は規則14.4が定めます。二つの海域が規則14.3の一覧に入れば、この限度はその海域にも掛かります。ただし新しく指定された海域には、規則14.7が別に時間を与えます。
7 During the first 12 months immediately following entry into force of an amendment designating a specific emission control area under paragraph 3 of this regulation, ships operating in that emission control area are exempt from the requirements in paragraphs 4 and 6 of this regulation and from the requirements of paragraph 5 of this regulation insofar as they relate to paragraph 4 of this regulation.
指定改正が発効した後の最初の12か月の間は、その海域で運航する船が第4項の限度と第6項の切替手順・記録の要件から外れます。第5項の供給者の書類の要件も、第4項に関わる範囲で一緒に外れます。
| 区分 | 日付 | 根拠 |
|---|---|---|
| 指定改正の発効 | 2026-03-01 | MEPC.392(82)第3項 |
| 硫黄分限度0.10%と切替記録の適用 | 発効日から12か月が過ぎた後 | 規則14.7 |
発効日から12か月が過ぎる日は2027-03-01です。その日から両海域に入る船は規則14.4の限度を守り、規則14.6の切替手順書と切替記録を備えなければなりません。この猶予は硫黄の側にだけあります。規則13には同じ条項がありません。
NOx Tier IIIは海域ごとに異なる建造日で分かれます
規則13.5.1は、Tier III排出規制海域の中での機関の運転を禁止しつつ、排出量がTier IIIの限度内にあり、船が一定の日以後に建造された場合を例外とします。どの日かは海域ごとに違います。改正は二つの海域に別々の日を与えます。
.3 1 March 2026 and is operating in the Norwegian Sea Emission Control Area.
ノルウェー海は規則13.5.1.2に第3号として入ります。2026年3月1日以後に建造された船がノルウェー海で運航すれば、Tier IIIが掛かります。
.1 that ship is constructed on or after 1 January 2025 and is operating in the Canadian Arctic Emission Control Area.
カナダ北極海は規則13.5.1.3に第1号として入ります。基準日は2025年1月1日です。改正の発効日より前の日です。規則13.5.1.3は、海域の採択日または指定改正が定める日のうち遅い方を基準とする条項なので、改正がその日を直接書き込んでいます。
| 海域 | Tier IIIの基準建造日 | 入る条項 |
|---|---|---|
| ノルウェー海 | 2026-03-01 | 規則13.5.1.2 |
| カナダ北極海 | 2025-01-01 | 規則13.5.1.3 |
二つの日が違うので、一隻の船が二つの海域の片方でだけTier IIIの対象になることがあります。2025年6月に建造された船を例に取れば、カナダ北極海では対象で、ノルウェー海では対象ではありません。
ノルウェー海の建造日には三つの日付が別々に定義されます
For the Norwegian Sea Emission Control Area, “ship constructed on or after 1 March 2026” means a ship: .1 for which the building contract is placed on or after 1 March 2026; or .2 in the absence of a building contract, the keel of which is laid or which is at a similar stage of construction on or after 1 September 2026; or .3 the delivery of which is on or after 1 March 2030.
ノルウェー海の側は、建造という言葉を三つに分けて解きます。建造契約日が2026年3月1日以後であるか、契約がなければキール据付日が2026年9月1日以後であるか、引渡日が2030年3月1日以後であれば該当します。三つの条件はorでつながれ、一つでも当てはまれば対象です。
引渡日の条件が重要です。契約とキール据付がどちらも基準日より前でも、引渡しが2030年3月1日以後にずれ込めばTier IIIの対象になります。建造期間が長い船は契約書の日付だけでは判断できません。
IAPP証書の附録の建造日欄が三行になります
1.3 Date of build 1.3.1 Date of building contract (dd/mm/yyyy) 1.3.2 Date on which keel was laid or ship was at a similar stage of construction (dd/mm/yyyy) 1.3.3 Date of delivery (dd/mm/yyyy)
改正は、国際大気汚染防止証書の附録の1.3建造日欄を三行に置き換えます。契約日、キール据付日、引渡日です。上で見たノルウェー海の三つの定義と同じ順序です。
証書の附録に三つの日付がすべて書かれていれば、寄港国はその欄だけでTier IIIの対象かどうかを判断できます。船の側では、三つの日付が建造契約書と船級の記録と合っているかを更新検査の前に照合しておきます。
確認しておくこと
上の引用は決議MEPC.392(82)の本文と附属書から取り、規則14.4と規則14.7は決議MEPC.328(76)で採択された附属書VIの統合版から取りました。この記事は二つの決議の本文までしか扱いません。
カナダ北極海の境界座標は付録VIIの第5項に179の点として書かれており、ここには写していません。ノルウェー海の定義は別の附属書の条文を引いているので、その条文を別に確認する必要があります。Tier III機関の認証と試験方法はNOxテクニカルコードが定めており、この記事では扱いません。締約国が二つの海域について国内法令でさらに置く要件は、その国の法令で確認します。
引用した原文を直接確認できます
以下は、この記事で扱う文書の公式発行元へのリンクです。本文に記載した版と条項を照合し、実際の適用前にその後の改正と旗国の実施要件を確認してください。
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新しい海域の境界線を越える前に切替えを終えた時刻と位置は、その日に書かなければ残りません。Bellbookは航海の記録とNoon reportを日付と位置と一緒に受け取り、航海ごとの燃料消費も併せて集計します。
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