船上油濁緊急計画の適用対象と備えるべき四つの内容(MARPOL附属書I規則37)

MARPOL附属書Iの規則37は、船上油濁緊急計画(SOPEP)を扱います。どの船が備えるのか、計画に何が必ず入るのか、どの言語で書くのか、他の計画と統合できるのかが、四つの項に入っています。
この計画は事故の後に読む文書です。ですから内容が足りなくても、事故の前には表に出ません。報告先が抜けていたり連絡先が古かったりすれば、その事実は油が海に広がった後に分かります。規則37が四つの内容をat leastで釘付けにした理由です。
この記事は適用対象から始めて、四つの内容を二つずつ見て、計画を統合する条件と大型タンカーに付く追加要件で終わります。
適用の境目は油記録簿と同じで、承認は主管庁が行います
1 Every oil tanker of 150 gross tonnage and above and every ship other than an oil tanker of 400 gross tonnage and above shall carry on board a shipboard oil pollution emergency plan approved by the Administration.
境目は二つです。油タンカーは150トンから、それ以外の船は400トンからです。油記録簿第I部を備える境目と同じです。記録簿がある船には計画もなければなりません。
条件がもう一つあります。approved by the Administrationです。会社が作った計画は、主管庁の承認を受けて初めて船に置ける計画になります。計画を直せば承認も見直さなければなりません。
計画は機関の指針に従い、船長と士官の作業言語で書きます
2 Such a plan shall be prepared based on guidelines developed by the Organization and written in the working language of the master and officers. The plan shall consist at least of:
作成の基準は二つです。一つは機関(IMO)が作った指針です。計画の枠組みを会社が一から決めるのではありません。もう一つは言語です。working language of the master and officersです。旗国の言語でも会社の言語でもありません。その船で船長と士官が働くときに使う言語です。
船長と士官が替わって作業言語が変われば、計画の言語も付いていかなければなりません。ですからこの項は船の乗組員構成と結び付いています。
一つ目と二つ目は外へ知らせる側です
.1 the procedure to be followed by the master or other persons having charge of the ship to report an oil pollution incident, as required in article 8 and Protocol I of the present Convention, based on the guidelines developed by the Organization; .2 the list of authorities or persons to be contacted in the event of an oil pollution incident;
一つ目は報告手順です。誰が報告するかが書かれています。船長または船を預かる者です。報告の根拠は条約第8条と議定書Iです。計画はその報告をどの順序で行うかを収めます。
二つ目は連絡先一覧です。事故が起きたときに連絡する当局と人です。この一覧は航路によって変わります。寄港地の当局が変われば一覧も変わらなければなりません。計画の中で最初に古くなるのがここです。
三つ目と四つ目は船の中で動く側です
.3 a detailed description of the action to be taken immediately by persons on board to reduce or control the discharge of oil following the incident; and .4 the procedures and point of contact on the ship for co-ordinating shipboard action with national and local authorities in combating the pollution.
三つ目は即時措置です。条文の語はdetailed descriptionです。弁を閉めるという一行ではなく、誰がどこで何をするかを書きます。目的は二つです。排出を減らすか、制御するかです。
四つ目は当局との連携です。国と地方の当局が防除に入ってきたとき、船側で誰が窓口になるのか、どの手順で合わせるのかを書きます。三つ目は船だけで行うこと、四つ目は当局と一緒に行うことです。
| 項 | 内容 | 方向 |
|---|---|---|
| .1 | 事故の報告手順 | 船から外へ |
| .2 | 連絡する当局・人の一覧 | 船から外へ |
| .3 | 排出を減らすか制御する即時措置 | 船の中で |
| .4 | 当局と船内措置を合わせる手順と窓口 | 船と当局の間 |
附属書II規則17も掛かる船は一つの計画に統合できます
3 In the case of ships to which regulation 17 of Annex II of the present Convention also apply, such a plan may be combined with the shipboard marine pollution emergency plan for noxious liquid substances required under regulation 17 of Annex II of the present Convention. In this case, the title of such a plan shall be “Shipboard marine pollution emergency plan”.
有害液体物質を積む船は、附属書II規則17の計画も備えます。二つの計画を一つに統合できます。条文の語はmay be combinedです。統合は選択です。
統合すれば表題が決まります。Shipboard marine pollution emergency planです。二つの計画を別に置けばそれぞれの表題を使い、統合すればこの表題を使います。検査官は表題から計画が一つか二つかを読み取ります。
5,000トン以上の油タンカーは陸上の計算プログラムに直ちにアクセスできなければなりません
4 All oil tankers of 5,000 tons deadweight or more shall have prompt access to computerized, shore-based damage stability and residual structural strength calculation programs.
油タンカーには条件がもう一つ付きます。載貨重量5,000トン以上であれば、損傷時復原性と残存強度を計算する陸上のプログラムにprompt accessを持たなければなりません。プログラムを船に置けという意味ではありません。陸上にあるプログラムに直ちに届けという意味です。
ですからこの項は計画の連絡先一覧とつながります。事故のときに誰に連絡して計算を回すのかが計画にあって初めて、アクセスがpromptになります。
確認しておくこと
上の引用は、決議MEPC.117(52)で採択された改正附属書Iの規則37から取りました。計画を作るときに従う機関の指針は別の文書であり、この記事では扱っていません。指針は改正されるので、現行版を確認する必要があります。
条約第8条と議定書Iが求める報告の内容も、ここでは扱っていません。附属書II規則17の計画が何を収めるかも、その附属書で見る必要があります。主管庁がどの手続で承認するかは旗国ごとに異なります。
引用した原文を直接確認できます
以下は、この記事で扱う文書の公式発行元へのリンクです。本文に記載した版と条項を照合し、実際の適用前にその後の改正と旗国の実施要件を確認してください。
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計画の連絡先一覧は、変わるたびに船と陸上が同じ版を持っていなければなりません。BellbookはSMS文書を改訂版で管理し、船舶書類箱で船と共有して、船にある版と事務所の版が食い違わないようにします。
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